出発準備:直前だと間に合わないもの

 ルーマニア行きの準備は順調に進んでいるでしょうか。
 今回は直前だと準備が間に合わないことについて書きます。それは何かというと旅行保険です。もうすでに旅行保険を購入した人もいるかもしれません。そのひとは以下の内容を読む必要はありません。
 僕は今ブカレストに滞在しています。2日ほど前から風邪気味です。ただ、病院に入っていません。僕は妻のサバティカルの準備と娘の進学の準備を手伝いながら、妻の実家で日本と電子メールのやりとりをしながら仕事をしています。こんな生活ですので、風邪が治るまでゆっくりしているだけでよいわけです。
 教養ゼミ受講者の場合、旅行中に風邪をひいた場合はこうは行きません。風邪が治るまで休むといっても、2泊以上滞在する場所がないわけですから、長い間寝ているわけにはいきません。病院で処方箋を書いてもらって早めに直した方が得策です。また、風邪よりも重い症状の病気にかかった場合は当然ながら病院で治療してもらう必要があります。
 そんなとき、旅行保険があると便利です。大都市であれば、無料で治療を受けられる病院がある場合もありますし、全額治療代を出さなければならない場合でも、帰国した後でかかった費用を請求することができます。
 旅行保険は生協で購入することもできますが、インターネットで購入した方が安い場合がほとんどです。生協で購入するのであれば、出発の2週間ぐらい前には手続きをしたいものです。
 さて、出発前、僕からのメッセージはこれで最後にします。教養ゼミ受講者の方で何か質問があったらメールで質問をください。

 率直なところ、今年ほど学生とのコミュニケーションが難しいと思った年はありません。8月半ばのメールへの返信がまだの学生がいます。どうやったら全員とまともなコミュニケーションがとれるのでしょうか。
 これまでも旅行が終わった後はコミュニケーションが取りにくくなる学生はいたのですが、昨年から旅行の前からメールによるコミュニケーションがほとんどとれない学生が出始めました。LINEでは他の受講者と繋がっているようなので、他の受講者に頼んで「LINEで○○くんに返信をするように促してほしい」と要求してやっと返信が来ると行った具合です。今年はそれも難しい情況です。
 殿様のように扱わなければならない学生が一定数を超えた時点でこの企画の教育効果はゼロになると思います。大名旅行ではなく貧乏旅行だからこそ教育効果があると考えているわけですから。そろそろ存続を検討すべき時点なのかもしれません。
FC2 Management

出発準備:ちょっと時間のかかるもの

教養ゼミ受講者の皆さん、

 期末試験ももう終わりですね。ルーマニアに行くまであと1ヶ月です。何度かに分けて準備することについて書こうと思います。今回は比較的時間がかかることについて書きます。

1. 期待しなければ落ち込むこともないけど、期待しなければ何も行動できない
 ルーマニアで何を見たいのかはっきりさせるために、本で情報を集めましょう。「自分はここでこんなものを見たいんだ」「自分はこういう事柄についてルーマニア人の意見を聞きたいんだ」。こういう点をはっきりさせておかないと、行動ができません。
 教科書に指定した『ルーマニアを知るための60章』はルーマニアを知るために本当によい本です。一つひとつの章がとても短いので、読書の習慣がない人でも読み進めることができます。残念ながら生協では1冊も売れなかったそうです。Amazonでは古本も安く出回っているようです。是非読んでください。

ルーマニアを知るための60章 エリア・スタディーズルーマニアを知るための60章 エリア・スタディーズ
(2007/10/05)
六鹿 茂夫

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 ルーマニア人と話していて、「お前らなんでルーマニアに来たの?」「ルーマニアの何に興味があるの?」と聞かれたときに何か言えるようになっていた方がいいと思いますよ。こうした質問は旅先の地域の人と会話をしていると必ず出ます。
 期待を膨らませるためにも、興味の対象を具体的なものにするためにも、読書が必要です。読書には時間がかかります。試験が終わったらすぐにでも上の本を読んでください。そして、もっといろいろな本でルーマニアについて勉強してください。

2. 周辺地域の情報にも気を配ろう
 内戦状態にあるウクライナはルーマニアの隣国です。ルーマニアとウクライナに挟まれた地域にモルドバ共和国という国があります。モルドバ共和国の東部、ドニエストル川東岸は沿ドニエストル共和国というロシアの影響が強い国です。
 国の中に国があるってどういうこと、と疑問に思うことでしょう。僕が解説するより皆さん自身が調べた方がよいと思います。ちなみにモルドバ共和国で大多数の住民が話している言語はルーマニア語の方言です。「ウクライナ」「ドネツク人民共和国」「モルドバ」「沿ドニエストル共和国」で調べるとウクライナの内戦がルーマニアと無関係ではないことがわかります。
 中継地であるアラビア半島も激動期ですね。こちらの方もしっかり調べておいてください。
 今年は第一次世界大戦が始まった年から100年目の年です。第一次世界大戦の時代のウクライナを舞台にした下記の小説はお勧めです。こちらは電子書籍もあります。

ミノタウロス (講談社文庫)ミノタウロス (講談社文庫)
(2010/05/14)
佐藤 亜紀

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3. 語学の上達には時間がかかるが、無駄にはならない
 今回は語学力にほとんど問題がない学生が多かったので、英会話の練習はほとんどやりませんでした。でも、ちょっと不安はあります。どうしても一人にならざるを得ない機会が海外旅行では生じます。よほど小さな子どもでない限り、パスポートコントロールは一人で通過することになります。「旅行の目的は?」と聞かれて問題なく対応できるでしょうか。
 自信がない人は、旅行用の会話集で勉強しておいてください。これは、時間がかかることです。すぐに取り組んでください。
 会話は、自分が話すだけでなく、相手の言葉を聞き取ることができて初めて成立します。自分と外国語で話してくれる人が身近にいない人が会話を上達させるには語彙力をつけるのが近道です。知っている単語が多ければ多いほど、相手の言っていることが理解できます。
 そして、語彙力をつける近道は読書です。英語で書かれた小説をたくさん読んでください。Marina Lewyckaの小説を読むゼミに誘いましたが、誰も来ませんでした。自分で読んでいたのかな。もし、まだだったら、是非読んでください。東欧の現代史を理解するのにも役立ちます。ドネツクが独立しようとしている背景もうかがい知ることができます。

Two CaravansTwo Caravans
(2008/03/06)
Marina Lewycka

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 語彙力に自信がない人は電子書籍を読むことを薦めます。なぜなら、Kindleなどのアプリケーションには辞書が付属しており、単語を調べるのがとても楽だからです。
 「物語は苦手」という人は、New York TimesThe Gardianといった新聞を読むといいでしょう。両方ともヘッドラインはインターネットで無料で読めます。
 辞書を引く習慣が付くだけでも読書は外国語学習に貢献します。
 語学力のある人もない人も最低でも英和辞典は持ってきてください。紙に印刷されたものは重たいので、勧めません。電子辞書かスマートフォンあるいはタブレットにインストールできるものがお勧めです。
 それから、スマートフォンやタブレットにインストールできる語学学習ソフトも便利です。ルーマニア語やトルコ語を学習できるソフトが無料のものも含めて複数出回っていますので、インストールすることを勧めます。無料のお試し版でも結構役に立ちます。いろいろ試してみてください。

映像(テレビなど)よりも文章(記事、書籍)を

 栗田路子さんという方が書いた下記の記事は日本のテレビの性質がどんなものか考える上でとても参考になる。備忘録としてリンクを張っておこう。

取材された難病少年も静かな怒り、日本の海外ロケの無茶

 20年近くテレビを見ていない僕だが、この記事を読むとこれからもテレビを見ることはないんだろうなと思う。
 映像というものはリアルに見えても、実際には現実をとても断片的に切り取ったものだ。先日読んだ高野秀行著『辺境中毒!』にもそのことが書いてあった。高野氏は辺境地域の記事を書く人だが、一度テレビ局の取材に同行したことがあるそうだ。カメラを回していない時に起こったことは重要なことでも番組に組み込めない。一方、文章で(つまり記事や本で)発表する分には映像がいらないので、体験したことを書ける。そんなわけで高野氏から見るとテレビというものは理不尽なものに見えるというわけだ。

【カラー版】辺境中毒! (集英社文庫)【カラー版】辺境中毒! (集英社文庫)
(2014/05/01)
高野秀行

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 外国のことを知りたかったら、映像ではなく文章の方がいい。入り口としてテレビなどの映像に刺激を受けるのはいいけれども、よりリアルな情報に接しようとしたら、書籍や記事の方がいいと言うことだ。
 ところで、今年の教養ゼミの教科書として指定した『ルーマニアを知るための60章』が生協で1冊も売れなかったのはとても残念なことだ。これからでもいいから、買って読んではいかがか。損はないはずだ。

ルーマニアを知るための60章 エリア・スタディーズルーマニアを知るための60章 エリア・スタディーズ
(2007/10/05)
六鹿 茂夫

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漫研イメージ喚起用画像集

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備忘録:反転授業の有効性

 気になる記事があったので、記事へのリンクを貼っておく。

カリフォルニアの高校で、一部「反転授業」が導入された背景 生徒間の学力格差をワープスピードで拡大する、残酷なツール

 気になったのは下記の箇所。反転授業はやる気のある生徒には有効だけれども、やる気のない生徒を引っぱっていく方法にはならないという点が気になる。大学のリメディアル教育で反転授業を導入するのは難しいと考えるべきなのだろうな。

なお「反転授業」はモチベーションのある生徒にしか使えません。なぜなら理解の土台になる、授業部分の視聴を生徒の自主性に任せてしまうので、怠けて動画を視聴しない生徒が続出するからです。

やる気のある生徒はどんどん動画を視聴して先へ行けるし、駄目な生徒は、そもそも動画の授業すら視聴していないので、練習問題も解けなければ、先生からは「まず動画を見なさい」と一蹴されてオシマイ。

このように「反転授業」は生徒間の学力格差をワープスピードで加速させる、残酷なツールなのです。
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motanel

Author:motanel
 佐々木のブログにようこそ。所属は経営学部ですが、論文の書き方と言語学関連科目を教えています。専門は日本語の方言文法。音韻論、形態論、統語論、意味論、面白そうなことがあればジャンルにこだわらず首を突っ込んでいます。研究の詳細についてはホームページをご参照ください。

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