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課題をやる上でのアドバイス:「私が受けた英語教育」

「論述・作文」受講者の皆さん、

 課題「私が受けた英語教育」に取り組んでいることと思います。学生からアウトラインを見せてもらった際に、「話題文って何かわかっていないんじゃないかな」と思うことがありましたので、ちょっと追加の解説を書きます。「話題文が何かぐらい把握しているよ」という学生も読んでみてください。課題の文章を組み立てる上で参考になると思います。

 学生から見せてもらったアウトラインの第2段落の箇所に「会話、物語、解説などが載っている教科書」と書いてありました。これは、問題だと思いました。アウトラインですから箇条書きでかまいません。文である必要はありません。問題は、あまりにも具体的すぎるという点です。具体的すぎて話題文の内容になっていないことが問題です。これはむしろ展開文にすべき内容です。
 話題文は「その段落で書いてあることをとても短く一言で言うとこうなる」という文です。長くてはダメなのです。短くないといけないのです。他の文で説明がないといけないぐらい短くなっている必要があるのです。話し言葉でも「端的に言うと……だ」という言い方をしますね。それが話題文です。
 第2段落は「内容の説明」です。「会話、物語、解説などが載っている教科書」は確かに内容についての記述です。しかし、具体的すぎます。「会話、物語、解説などが載っている教科書」なら、どんな教科書と言えるでしょうか。会話がほとんどであれば、会話中心の教科書ですし、物語や解説がほとんどなら書き言葉中心の教科書です。会話、物語、解説が均等に配分されているならバランスのとれた教科書といえます。
 皆さんが使った教科書は、どのタイプだったのでしょうか。もし、バランスのとれた教科書だったら、話題文は「バランスのとれた教科書を使った授業」ということになるでしょう。どのようにバランスがとれているかという具体的な事柄は、展開文で書くべきです。
 でも、教科書だけが「内容」でしょうか。夏休みや冬休みに読む副読本は指定されませんでしたか。僕の高校時代には2,3冊薄い推理小説を長い休みの前に渡されたものです。CD等を使った音声教材はありませんでしたか。あるいはDVD等を使った映像教材はどうでしょう。僕たちのころはありませんでしたが。
 第3段落「自らの取り組み」も同じように考えてください。まず、自分の取り組みがどんな具合だったか、紙に書き出してください。「教科書の予習をしたことがない。宿題もあまりやらなかった。教室では時々眠っていた」ということなら、「消極的な取り組みだった」が話題文になるでしょう。そして、どのように消極的だったのかを展開文で書くことになります。また、展開文に「なぜ消極的だったか」を書くと読者に理解してもらいやすくなります。
 地域や時代によっては英語ができることはカッコイイことと見なされます。北欧出身のヘビーメタル・ギタリストには学校をサボりまくっていたけれども英語の授業だけは真面目に受けて成績が良かったという人もいます。そういう人にとっては英語の勉強に消極的だったということは特別な説明がないと理解できません。
 第4段落の「英語教育の効果」でも「いまだに苦手だ」とか「バランスが取れないない」というような話題文が求められます。「苦手ってどういうこと?」ということに対する答えは、展開文で書いてください。展開文は複数の文で構いません。むしろ、普通は一つの話題文に対して複数の展開文があるものです。
 ここまで読んでも、「僕はこの段落でこんなことを書こうと思うんだけど、話題文をどうやって作ったらいいかわからない」という人は、僕かTAの先生に相談してください。僕にはメールで問い合わせてもかまいません。TAの先生が学習支援室にいる時間はご存知ですね。
 これは配点がとても大きな課題です。重点先行型の段落(話題文が先頭に来る)になっていないと大幅に減点されます。頑張ってください。
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プロフィール

motanel

Author:motanel
 佐々木のブログにようこそ。2001年度から2016年度まで札幌学院大学で教鞭を執っていました。主な担当科目は、論述・作文と言語学関連科目。所属は商学部(2009年度から経営学部)でしたが、全学共通科目を担当していたため、すべての学生を対象に講義をしていました。

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